第2回フロー・シンポジウム開催レポート

2010年9月26日(日)に静岡商工会議所会館で開催された第2回フロー・シンポジウムの様子を紹介します。

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 ■開催概要

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日時: 2010年9月26日(日) 10:00~17:00 

会場: 静岡商工会議所会館 5F ホール 

参加人数: 83名(講師、関係者、スタッフ含む) 

主催: フロー・インスティテュート Flow the World実行委員会    

協力: 静岡商工会議所青年部/静岡県立大学経営情報学部国保研究室/中央精工株式会社 

※詳しい開催案内はこちらをご覧ください

 

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 ■当日の様子

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第2回目のフロー・シンポジウムは、静岡での開催です。実は静岡で開催することになったのは、Twitterでのつぶやきがきっかけでした。第1回目のシンポジウムが終わった後に、「ぜひ静岡でも開催してほしい!」というつぶやきがあり、そこから地元の皆様のご協力を得て実現にいたったのです。せっかくなので、フローの日である26日(フローの日)にしようということで、9月26日(日)、JR静岡駅からほど近い静岡商工会議所会館ホールでの開催となりました。


当日は前日までの雨模様が嘘のようにきれいに晴れ渡り、新幹線のホームが見渡せる会場には参加者の皆様、講師の先生方、スタッフ、取材&関係者あわせて、90名近くが集いました。今回は静岡県立大学経営情報学部の国保先生からの協力を得て、経営情報学部の学生さん3人にもスタッフとしてお手伝いいただきました。


司会は今回の開催にあたって、現地でのコーディネーターしてくださった中央精工株式会社代表取締役の中村克海さんです。開催のあいさつとして、このシンポジウムが始まったいきさつを講師の平本あきおさんと事務局の大前よりお伝えし、その後アイスブレイクを行いました。好きなものやことについて話すと脳が「快」の状態になるということから、「好きなこと、もの」をお話しする自己紹介。さらに「何も制限がなかったら(魔法の杖があったら)何をしたいか?」をお話しする自己紹介をしました。みなさん先程までの少し緊張混じりの表情とは打って変わって、イキイキとした明るい表情になりました。

 


第1セッションはスポーツドクター辻秀一先生の講演です。辻先生はもともと内科医でしたが、応用スポーツ心理学とフロー理論をオリジナルメソッドに落とし込み、パフォーマンス・エクセレンスを高めるためにスポーツ選手だけでなく様々な企業でメンタルトレーニグや組織活性化のための活動をされています。

 

英語で言うパフォーマンスとは、日本語でいう「行動」。もっと言うと「生きる」ことです。その質を高めるためには心の状態を「快」にすることが重要です。スポーツの世界では、結果が必ず出るので、いい心の状態をつくらないと中々勝ちにくいというのがわかりやすい。スポーツでの事例を交えながら、心の状態を「快」=フローにするためのライフスキルについてお話いただきました。


フローというのは、「ゆらがず、とらわれずの心の状態」であり、「状況に即して最適、最大のパフォーマンスが発揮される、機嫌のよい状態」です。例えばイチロー選手は、「いつも最高の結果を出すために、心の状態をフローに保つライフスキルがとても高い」と辻先生は言います。イチロー選手にとって、200本安打は最高のパフォーマンスを出すための通過点なのです。

 

ただし、ここでいう最高のパフォーマンスとは、試合や大会などの特別なときや、一部の超優秀なスポーツ選手だけではなく、私達それぞれが、日常において最高のパフォーマンスを出すこと、つまり充実して日々を過ごすことも一緒です。
環境や他人などの外部の状況に振り回されるのではなく、そして自分で勝手に起こっていることに意味をつけるのではなく、今を生きること、チャレンジ思考などについて解説いただきました。

 

そして最後に、ただフローについての知識を得るだけでなく、実際にそれを実践し、体感したことを仲間と分かち合うという「知る→やる→わかちあう」というサイクルを回していくことが大切だというメッセージで終了しました。

 

昼食休憩をはさんでの第2セッションは、している株式会社代表取締役長尾彰さんによる、アドベンチャー・ラーニングのセッションです。

 

まずは4~5人のグループにわかれて5分ほど「好きなチーム」についてチャットしました。続いて、「グループになくて、チームにあるものは?」というテーマ。各グループから出たキーワードをホワイトボードに書いていきました。

 

出てきたキーワードは・・・

目的、コミットメント、結果、組織化、リーダー、指導者、共通意識、管理、化学反応、相乗効果、ワクワク感、自立心、愛情、団結力、責任、助け合い、貢献、理念、役割分担、夢、信頼、絆、個性、安心感。

 

これらのキーワードがない状態から、ある状態にするのが「チームビルディング」であり、ない状態からある状態になるときが「フロー」なのではないか、ということで早速アクティビティに入っていきます。

 

まずは全員で大きな円になり、並び替えと自己紹介を交互に繰り返しました。その後小グループに分かれ、全員で手をつないだままフラフープをくぐるという課題に挑戦です。グループごとに相談しながら、いろいろな工夫をしてどんどんタイムを縮めていきます。それぞれ体験をもとに意見を出し合い、工夫や挑戦、そして協力が生まれてくるのがこのアクティビティの特徴です。

 

このプロセスがまさに、チームでフローになっていくための過程なのだと思います。
最後、中々達成できなかった目標タイムを、参加者全員で達成した瞬間の「歓喜」、これがまさにフローの瞬間ではなかったでしょうか。その後4人ずつで体験をふりかえりシェアをしました。

 

 

興奮冷めやらぬまま休憩で少しリラックスをして、次は第3セッションです。講師は株式会社ピークパフォーマンス代 表の平本あきおさん。ある大手企業の野球部で、平本さんのサポートを受けてから15連勝しているという事例や、経営不振にあえぐ企業で、今まで保身だけを考えていたマネージャーたちが会社をつぶしたくないという使命感に目覚め、会社が変わっていったという事例などを紹介していただきました。

 

チームや組織にそんな奇跡のような変化が起こるのには、何が重要なのでしょうか。平本さん流のコーチング理論が、事例を交えて解説されます。

 

人がよくいう「やる気」には、テンションとモチベーションの2種類があります。テンションは瞬発的にやる気になったとしても、長続きしません。モチベーションは、心理的、長期的に続くものです。そしてそのモチベーションにも、外発的なもの(金、暇、ポスト)と、内発的なもの(やりがい、充実感)があります。この内発的なモチベーションを高めることがまさに、フロー状態にいいたるために不可欠なのです。

 

その後、チームのリーダーや組織のマネージャーとして、どうやってチーム全体をフローにしていったらよいか、早稲田大学の中竹監督へのサポートの事例を交えて解説していただきました。

 

 

最後のセッションの前に、司会の中村克海さんから、地元静岡での事例紹介として、フローの考え方を参考にした社内での取り組みが発表されました。社員のみなさんが、一番フローになっているなと感じるのは、社員発のプロジェクトのときだそう。内発的、自律的であることがまさにフローの要因なのでしょうね。

 

 

最後のセッション、In the Momentでは、一人ひとりの中にある「フロー」を1分間でイメージし、となりの人と共有しました。そして、今日の体験を忘れないように、「今日1日の学び」「この後何をしたいか」も共有しました。