第1回ホワイト企業大賞


 

 

第1回ホワイト企業大賞は、企画委員会の推薦と検討により、下記2社に決定しました。

 

    未来工業株式会社

   ネッツトヨタ南国株式会社

 

 大賞授賞式、及び、記念講演会を、2015年1月17日(土)に開催いたしました。

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【受賞理由】

 

未来工業株式会社

 

未来工業は、岐阜県に本社を置く電設機器の製造販売会社。2014年3月における売上は352億円、経常利益は 51億8000万円、社員数 1136人。1965年に、故・山田昭男さんが演劇仲間3人と創業した。

すでに、雑誌、単行本、新聞、テレビなどで頻繁に取り上げられ、そのユニークな経営は広く世の中に知られている。

 

ざっとあげても、以下のようなユニークな経営が実行されている。

① 有給休暇以外の年間休日数が、日本で一番多い140日

② 労働時間(1600時間)は、日本で一番短い

③ 給料は相場よりちょっといい(岐阜県ではトップクラス)

④ 休もうが遅刻しようが給料は払う完全月給制

⑤ アルバイトを容認

⑥ 残業禁止

⑦ 育児休暇は3年間

⑧ 定年は70歳(60歳を過ぎても給料は減らない)

⑨ 年功序列(給料は年齢と在籍年数のみで決まる)

⑩ 全員が正社員

⑪ 経営理念・経営指針などは一切なし(「常に考える」というスローガンだけある)

⑫ 売上目標・利益目標・事業計画などは一切なし

⑬ 徹底的な経費節減(ドケチ経営)

⑭ 間接部門は極めて少人数

⑮ 成果主義禁止

⑯ ノルマ禁止

⑰ ホウレンソウ(報告・連絡・相談)禁止

⑱ 指示・命令禁止

⑲ 上からの管理をやめて、徹底的に社員を信頼して仕事をまかせる。

⑳ お金にまつわる処理(出張精算、食堂利用など)は一切のチェックがない

㉑ 社員の幸福と「やる気」を最も重視

㉒ 提案は内容にかかわらず1件500円。さらに審査して賞金。

㉓ 社員旅行は毎年国内、5年に一度海外を実施

㉔ クラブ活動は、3人集まれば会社から年間12万円の補助金が出る

 

 基本的なポリシーとしては、社員が不満を持たないように、喜ぶようにという施策を「これでもか!」というほど豊富に施す。また、社員を絶対的に信頼し、指示・命令やホウレンソウを禁止し、思いついたら自己責任で何でもできるようにしている。経理処理も社員を信頼してチェックをしない。社員は、その信頼にこたえて、やる気を出し、最善を尽くす。それぞれの人が最善を尽くす以上の結果は望めないのだから、目標は無意味。ノルマや成功報酬はかえって最善を尽くす邪魔になる。残業を禁止し、クラブ活動を奨励し、仕事以外の人生を楽しめるように配慮している。

 

 一般的な企業経営の常識からは、かなり外れたオペレーションだが、業績は良く、利益率は業界一、岐阜県でも最高(出典:山田昭男氏談)。これほどまでに社員に尽くしている企業は他になく、「第一回ホワイト企業大賞」受賞にふさわしい企業であると確信する。

 

 

ネッツトヨタ南国株式会社

 

 ネッツトヨタ南国は、トヨタ車を販売している高知県の自動車ディ―ラーである。2014年3月期の売り上げは50.1億円。設立は1980年(当初の社名は「ビスタ高知」)。創業以来一貫して、「社員の幸せ」を追求してきた。2002年に「日本経営品質賞」(1995年公益財団法人社会経済生産性本部 創設)を受賞しており、雑誌、書籍などで頻繁に取り上げられ、そのユニークな経営スタイルは広く知られている。

 

 同社は、社員に無記名アンケートを行い、“組織の健康度”調査を行っている。このアンケートは、メンタルヘルス傾向を探る8つの質問の該当する項目に丸を付けてもらうもので、丸の個数に応じて人数を集計した棒グラフを作成し、社内に掲示している(出典:ネッツトヨタ南国)。 結果、ネッツトヨタ南国は、他社に比べて、圧倒的に組織の健康度が高い。

 

メンタルヘルス傾向を探る8つの質問

① 成長の実感がない

② 自分で考えて仕事をすることができない

③ あまり自由に意見が言えない

④ 自分の努力が評価されない

⑤ 職場の人間関係、上司関係がよくない

⑥ コミュニケーション不足、チームワークがない

⑦ 部門間のセクショナリズムが強い

⑧ 所属している組織を愛せない


 また、お客様満足度の調査では、長年にわたって全トヨタディーラーの中で断トツの一位をキープしている(出典:ネッツトヨタ南国)。

 

 創業者の横田英毅さん(現在は相談役)は、「社員の幸せは、働いているときの幸せであるから、仕事の“やりがい”ということになる」、「人は人間性を発揮できているときにやりがいを感じる」ということから、徹底的に社員の人間性を尊重する経営を目指した。そして「叱らない、教えない、やらせない」という方針を貫いた。

 「教えない」ということは、自分で発見しなくてはいけない。表面的な知識やノウハウを教えてしまうと、自分にとって必要な知識やノウハウは何かを嗅ぎ取る嗅覚、それを獲得する力が育たない。教えないという方針は、人を育てるコツだという。

 

 「やらせない」というのは、指示命令で人を動かさない、ということだ。ネッツトヨタ南国では、待っていても仕事は降ってこない。自分で考えて仕事を探さなくてはいけない。つまり、徹底的に自主性が尊重されている。

このような経営方針は、前述の“組織の健康度”に反映されているだけでなく、会社全体の業績にも貢献している。横田さんは、「量(売り上げ、利益、シェアなど)を追求すると、質がおろそかになり、いずれ量が得られなくなる。質(社員の幸せ、人間性の尊重、成長など)を追求すれば、長い目で見ればいずれ量がついてくる」と語っている。

 実際、トヨタ車全体の売上としては、リーマンショックなどでわずかに減少しており、2002年からの10年間で4%のマイナスである。それに対してネッツトヨタ南国は、厳しい外部環境にもかかわらず、同じ期間で94%増加した。社員数も、全トヨタディ―ラーでは減少傾向にあるのに対して、ネッツトヨタ南国はコンスタントに増加をしている。


 結論として、ネッツトヨタ南国は「ホワイト企業」を目指すことにより、社員の幸福、働きがい、顧客満足度、企業としての業績、規模などのすべてに渡ってすばらしい成果を上げてきている。「第1回 ホワイト企業大賞」を受賞するのにふさわしい企業であると確信する。

 

 

(ホワイト企業大賞企画委員長 天外伺朗)